確かに、山は今も昔も変わりなく、川は悠久の流を保ちといったところですが、私の子どもの頃と今は大きく違う、わずかと云っていい、数十年前の話である。
この辺の川から、めだかが消え、たなごが消え、くちぼそうが消え、たにしも消えた。ざりがにさえめったにお目にかかれない。
近くの江戸川には、あゆが飛びは跳ねた。出世魚と云われる、ぼら
の幼魚のセイゴもいた。皆周りから消えた。
気候も寒い寒いと云ってはいるが、満天の星空に、貰い湯の手ぬぐいはあっというまに棒立ちになった。氷つくのだ。この辺で・・・・
季節もはきりとゆっくり変わった。今は、激しく、何が起こるかわからないように変化する。したがって、経験による予測は事故のもととなる。
こうした変化は、人にも及ぶ。間違いない。川同様に、人の心から沢山の豊かさを失しなわせる結果になっている。「孝行」「質素」「倹約」「素朴」「勤労」が失われた。そのうち「感謝」「素直」「真面目」「正直」が失われるであろう。「流は、善くよくない」・・・・・